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ファーストエイド その2
  1月6日の続きで、ファーストエイドのトピックです。
 
 最近ガイドライン2010につての話題が絶えませんが、このガイドラインというのがAHAの場合、アメリカを基準としたアメリカのガイドラインである事に注意して下さい。
 世界共通のガイドラインというわけではなく、AHAはアメリカ、ヨーロッパ蘇生協議会はヨーロッパでのガイドラインを、そして日本蘇生協議会は日本版のガイドラインを出しています。
 
 で、ファーストエイドのお話。AHAのハートセイバーファーストエイドコースは、アメリカを基準に作られています。医学論文、統計と言ったEBMだけでなく、国民の知的レベル、医療のレベル等を考慮した内容になっています。
 
 例えば日本で救急車を呼んでも無料ですよね。救急部を受診しても3割負担など、個人の負担はそれほど大きくありません。そのため日本では、救急車をタクシー代わりに利用したり、軽症でも救急部を受診して、医療機関がパンク状態になったりします。
 
 アメリカでは救急車を呼ぶと何百ドルという費用がかかり、医療機関を受診しても個人負担が大きいです。ちゃんと保険に入っているかどうかを確認されたりもします。
  
 例えば歯の外傷。アメリカでは歯科受診も高額なので、コースで安易に「歯科を受診して下さい」とは言えない事もあります。「歯に強い衝撃を受けた場合、後日、痛みが出たり色が変わったりしたら、歯科を受診しましょう」とか何とかあります。日本だったら、後日まで待たずに歯科を受診。その後の経過観察は歯科医の指示に従いましょうと、記載したいところです。
 
 毒物と思われるものを飲んでしまった場合、AHAのコースでは「吐かせたり、何かを飲ませてはいけません。すぐに医療機関を受診しましょう」とあります。イギリス赤十字では、吐かせてはいけないが、ぬるま湯をゆっくり飲ませて医療機関を受診するだったと思います。
 
 吐かせても良いものと悪いものがあり、応急処置として水や牛乳などを飲ませた方が良いものと悪いものなどがあります。たとえばガソリン。飲んでしまって胃袋→腸へ流れても、大した問題にはなりません。でも、ほんのわずかでも気管にはいると、致命的です。吐かせようとして誤嚥させてしまうと、一大事です。
 これは吐かせても良いけど、アレはダメ。この場合は水を飲ませても良いけど、アレはダメ。などなど色々と説明しても、教育レベルの幅の広いアメリカでは無意味でしょう。
 
 でも日本人だったら、平均的に高いレベルで理解できると思います。AHAのファーストエイドコースよりも細かい内容でも、十分に理解が得やすいと思います。AHAのコースをそのまま日本に持ち込むのではなく、日本の事情に合わせたものがリリースされると良いですね。
author:dr-mimimi, category:FA, 20:15
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