- ガイドライン2010対応コース開始〜本当に必要なのか?
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2010.12.23 Thursdayガイドライン2010に対応したBLSコースを開催するにあたっては、2005の教材に加えて補足用の動画、移行期間用のスキルチェックシート、移行期間用の筆記試験が必要です。そしてついに、筆記試験がリリース!クリスマス休暇前で間に合わないんぢゃないかと思っていましたが、予想外の展開でした。
さっそく昨日は、とあるITCで2010対応コースを開催されたようです。補足用の動画は日本語字幕付き。すごいですね。
話は飛びますが、パソコンのCPUを交換しました。先日、メモリーを3倍に増設したという記事を記載しましたが、それでも不十分だったのでCPU交換に至りました。パソコンは8年前に作ったSocket478。Penの2.0GHzを乗せていたのですが、今回はマザーボード対応のぎりぎり3.2GHzにしました。1.5倍!
感想は、「はやっ!」。Mixiのアクアリアムでは魚が飛ぶような速さで動き、字幕作業のレンダリングは、あっという間に完了します。新しいパソコンを買わなくても、これで十分かな。コスト的にはメモリーとCPU(ヤフオクの中古)合わせて1万5千円程度。新品のパソコン導入コストの1/10以下でおさまりました。自作で新調すると、コストがかさむんですよね。
そこで調子に乗って問題発言を展開。
・ガイドライン2010に、慌ててあわせるひつようがあるの?
・補足教材を使ってまで、する必要があるの?正式な教材がでるまで
2005のままでもいいんぢゃない?
・2005の教材を使えるのが来年の3月までって、おかしいんぢゃない?
こんな事を言っても良いのか?って感じですが、まぁ独り言ですから。
新しいガイドラインのハイライトがリリースされて、ずっと分からない事がありました。それは、「蘇生のABCが、CAB(キャブと発音します)に変更!」というキャッチです。
その流れ、いわゆるアルゴリズム表をイメージできずに、ずっと悩んでいました。ハイライトを読み込んでも理解できず、ガイドラインをダウンロードして、本を個人輸入してアルゴリズム表を見てからも、もやもやが晴れませんでした。ABCがCABに変更になったというより、
今までの流れで、最初のステップが省略されただけ
ぢゃん?って思っていました。先日、とあるITCのドンと話をする機会があり、「意味わかんねぇよ」って疑問をぶつけてみました。返ってきた答えは、「そのまんまですね」
僕の中のイメージでは、今までのBLSのアルゴリズム表は
ABC-CAB-CAB-CAB-...
でした。つまり、
意識の確認 意識がないので緊急通報
A気道確保して呼吸の確認
B呼吸がないので、息の吹き込みをする
C脈の確認
C胸骨圧迫
A気道確保して
B息の吹き込み
以下繰り返し
2010では、イメージ的に
意識の確認 意識がないので緊急通報
気道確保のような手技を使わずに、ざっと呼吸の確認(上記のA省略)
初動での息の吹き込みはしない(上記のB省略)
C脈の確認 これは、救助者の立場、経験により省略
C胸骨圧迫
A気道確保して
B息の吹き込み (AとBは、立場、状況により省略)
以下繰り返し
確かにABCがCABに変更された訳ですが、そんな表現を使うよりも、「初動の手技を省略!」と言われた方がよっぽど理解しやすいと思います。少なくとも、僕の周囲のHCPではない方々はそうでした。CABとはなんぞやという質問が相次ぎ、ハイライトを読んでも理解できない、説明されても分からないという人が多く見受けられました。
で、日本語化したアルゴリズム表を見せると、今までとほとんど同じででは無いのか、何処が違うのか?そんな意見が帰ってきました。
もとより一般の方への講習では、初動における呼吸の確認も息の吹き込みも難しいです。フェースシールドやフェースマスクを持ち歩いている人がいるのか?という疑問があります。
そのため、2005の段階でもボランティア講習では、ざっと呼吸の確認をして、普通じゃなければ胸骨圧迫から開始でした。息の吹き込みは、AEDと救急セットが到着した時に可能なら開始。無理なら胸骨圧迫のみで続けるというスタンスでした。
つまりHCPではない方々は、事実上、今までしてきた流れがAHAの言う「新しいCABのステップ」だったんですね。だったら、慌てて2010に食いつく必要は無いのでは?
2000から2005になった時は、手技に大きな違いがありました。胸骨圧迫と人工呼吸の比率が大きく変わったり、指導方法が大きく見直されたり。そのために新しい手技にこだわったりもしましたが、今回はそれほど大きな違いとは言い難いと思っています。
手技的に大きな違いが無い以上、これから着目しなければいけないのは、いかに周囲の方々に早期に手助けをしてもらうかという事だと思います。
正常な呼吸とあえぎが分からず、呼吸していると思い込んで放置。AEDがショックの適応ではないと言ったために、何もせずに放置。その状況を改善する方向に力を入れたいと感じます。
所属NPOで今まで小学校中学校で講習会を行い、色々な試みをしてきました。その、今までしてきた事を考えると、慌てて2010を強調する必要は無いのではと感じました。
(あくまでも、NPOで活動してきた事、指導してきた内容をふまえて、、、です)
AHAのコースとしてはどうでしょう?Family and FriendsコースやHS-CPR and AEDコースでは2010が大きな意味を持ってくるかもしれませんね。HCPではアルゴリズム表の流れを憶えてもらうのではなく、ACLSのようなチームプレイ、その他の要素が重要になってくるのかもしれませんね。
長い文章になってしまいましたので、続きは後日。
- インストラクターアップデート
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2010.12.18 Saturday所属ITCの、インストラクターアップデートに参加してきました。
AHAの各種インストラクターがガイドライン2010に準拠したコースを開催するには、
1,アップデートコースを受ける。
2,ガイドライン2005の教材に、暫間的な公式資料を追加する。
必要があります。
1については、インストラクターネットワークにてイーラーニングで登録できるようになるそうですが、各ITCが公式に開催するコースに参加する事でクリアーできます。イーラーニングは、時期は不明ですが日本語版もリリースされるそうです。
2については、まだ中途半端です。つまり現在のところ、公式書類が出そろっていないので、2010の公式コースはハートセイバー以外は出来ない状態です。12月中にはリリースする予定だとAHAのアジア関係者が話していたそうですが、奴らはクリスマス休暇がありますから、12月中と言えば20日頃までが限界。大丈夫かなぁ。
シカゴやサンディエゴで開催されたAHAのアップデートの内容は、「ガイドラインのハイライト」に記載された内容そのまんまだったそうです。極端な話、旅費の無駄だねって。
わざわざアメリカまで出かけて話を聞かなくても、日本語版でリリースされていたハイライトを勉強すれば済むような事だったとか。
結論:せっかく日本語でリリースされたハイライト。穴が空くほど、すり切れるほど読み込んで勉強しましょう。
- ECCハンドブック
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2010.12.12 Sunday8日にECCハンドブック発送の知らせが来たと思ったら、11日に届きました。早っ!!世界は狭くなりましたね。(送料は一体、、、)
3冊とピンバッジを数個オーダーしただけですが、大きなダンボール箱に放り込んであるだけでした。日本は過剰包装で資源の無駄遣いですが、これはまた、違った意味で資源の無駄遣いのような気が。。。
さて、気を取り直してよく見ると、写真でも分かりますが、のり付けの本ではなく、プラスチックのリングで束ねてあるタイプです。使いやすいですよ。
2005の時も、英語版はこのタイプで、日本語版は背をのり付けしたタイプでした。ページを開いて置いても勝手に閉じてしまったり、ノリが割れてページが外れてしまったりすることはありません。問題なのは、英語であること。勉強しなきゃ。
来週は所属ITCでガイドライン変更のミーティングがあります。ようやくインストラクターネットワークでも変更箇所の資料が出始めました。
2005の教材と補足資料を使いながらの正規2010準拠コース。英語版資料が出そろって開催できるようになるのも、あと少しですね。
- 2010の流れ
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2010.11.05 Friday新しくリリースされたガイドラインですが、22日のブログにはBLS-HCPのアルゴリズム表を掲載しました。ぢゃぁ、一般市民向けは?AHAの場合、救助者を2つ(3つ)に分けています。つまりLay Rescuer 一般市民?(Trained Lay Rescuer 訓練を受けた一般市民?)HCP 医療関係者?です。Lay Rescuerは、以前にも公表されたHands-Only CPRを行う。CPRの方法を知らなかったり、訓練を受けたことがあるのに忘れてしまった場合は、緊急通報した電話で救急隊の指示を受ける。訓練を受けたLay Rescuerは、胸骨圧迫:人工呼吸の30:2のサイクルを実行する。ことが記載されていました。そうすると、Family and Friends CPRコースではHands-Only CPRを指導し、HS-CPR and AEDコースではHands-Only CPRと従来通りの30:2との両方を指導することになるのかなぁ。
Lay Rescuer1,意識の確認を行う。正常な反応がなければ緊急通報を行う。(呼吸の確認はありませんよ)緊急通報を受けた交換手(救急隊)は、救助者に対して何をすべきかアドバイスを与えるべきである。CPRの方法を知らなかったり訓練を受けたのに忘れてしまった場合は、交換手(救急隊)の指示に従えるように準備しておく。2,脈の確認は、すべきではない。これは困難な手技であり、医療関係者でも時間がかかることがある。成人が急に倒れたり、意識がなくて正常な呼吸もなければ、心臓発作を起こしているとみなす。3,胸骨圧迫を開始する。☆毎分100回以上のテンポで☆5センチ以上の深さで4,そのまま胸骨圧迫を続ける。救急隊に引き継ぐか、明らかな反応を示すまで続ける。AEDが到着したら使用する。AEDの使用方法については、従来通り。☆訓練を受けたLay Rescuerは、30:2のサイクルを行っても良い。
HCP1,意識の確認、呼吸の確認をほぼ同時に行う。(見て、聞いて、感じては無くなりました)正常でなければ緊急通報する。2,10秒以内で脈の確認を行う。明らかな脈を触れることが出来なければ、胸骨圧迫を開始する。3,30:2のサイクルで胸骨圧迫と人工呼吸を行う。4,AED(手動式除細動器)が到着したら使用する。☆高度な気道確保がなされた場合は、非同期で6〜8秒に1回の換気を行う。☆溺水、窒息などに遭遇した場合は最初に5サイクルのCPRを行ってから緊急通報をしても良い。
こんな感じでしょうか?
- ガイドライン2010のハイライト
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2010.10.20 Wednesdayさて、18日に新しいガイドライン2010がリリースされて、救命関係のブログなどは祭り状態ですね。新しい情報がどんどん飛び交っています。
2005の時と違い、日本語版のハイライトが同時リリースされていて、日本蘇生協議会も新しいガイドラインをリリースしています。
日本語版ハイライト
http://www.heart.org/idc/groups/heart-public/@wcm/@ecc/documents/downloadable/ucm_317340.pdf
JRC版
http://www.qqzaidan.jp/jrc2010.html
2005からの変更点は分かった。ぢゃぁ、コースの流れは?
新しいガイドラインにそったコース教材がリリースされるのは来春からです。それまでの移行期間は旧教材と補足資料を使って2010とするような内容が、要所のブログなどでささやかれています。まだ正式な通達があった訳ではないので見通しも立っていない状態ですが、ガイドラインにこだわらずに
一歩踏み出す勇気と心
勉強を続けるという精神
を大切にして下さい。
- インストラクターネットワーク
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2010.10.05 TuesdayAHAのインストラクターは、インストラクターネットワークというウェブページに登録して、随時新しい情報を入手できるようになっています。新規にインストラクターになった方は登録画面で必要事項を入力して送信します。するとAHAは入力されたトレーニングセンターに連絡を取り、インストラクターとしてのステイタスを確認、その後、ウェブページでそれぞれのインストラクター資格に相当した権限のページを閲覧することが出来るようになります。
さて、そのインストラクターネットワークですが、昨夜から新しくなりました。で、今朝、それを知らせるメールが配信されていました。
トップページは??って思うくらいシンプル。で、ニュースの項目を見ると、ガイドライン2010に関する専用ページも作られていました。10月18日にリリースされるCirculation誌に掲載されるとあります。
Beginning October 18, 2010, access the 2010 AHA Guidelines for CPR & ECC, in the journal Circulation.
Coming October 18, 2010
職場の図書館にもCirculationがありますが、紙媒体です。入荷するのが遅いです。しかも電子ジャーナルは契約していません。さて、どうするかな。。。
- 日本語版初の教材
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2010.10.01 Fridayいつの間にか、ECC日本語公式サイトに、ガイドライン2010準拠コース教材日本語版の出版予定が記載されていました。
AHA ECCガイドライン2010準拠日本語版出版予定をお知らせします。
http://eccjapanheart.org/pdf/20100922guideline201_jpn_future.pdf
残念ながら、日程は記載されていませんでした。ですが、興味深い情報が!
Family and Friends CPR
HS First Aid with CPR and AED
の2コースが、初めて日本語化されるのです。
ファーストエイドコースはガイドライン2005がリリースされてから福井で独自に日本語化。テキスト全てを和訳した資料と、日本語字幕をつけたDVDでコース開催してきました。しばらく前から「プロのヘルスケアプロバイダーでない者がBLS-HCPのインストラクターになるには、FAコースの受講が必要」という項目が設定され、日本でも議論を呼んでいました。そしてついに日本語教材のリリースです。
また、Family and Friends CPR は日本ではほとんど知られていませんが、ボランティアコースと言えば分かりやすいかもしれません。アメリカでは5〜10ドル程度で開催されているのですが、日本でいう消防さんや日赤さんの講習に相当します。いわゆる、「応招義務のない一般市民向けのコース」です。これも福井が独自に字幕DVDを作製し、JSISH-ITCのインストラクターが独自にテキストを日本語化して、コース開催されています。
英語教材は
BLS-HCP 11年3〜4月
ACLS , HS各種コース 11年4〜6月
にリリース予定です。日本語教材は2005の時は1年ほど遅れましたが、今後はどんどん早期にリリースされるようになるかもしれません。楽しみですね。
- インストラクターアップデート
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2010.08.27 Friday2010AHA Guidelines インストラクターカンファレンスの日程が公表されていました。
出席する訳ではないのですが、気になる項目が。BLS、ACLS、PALSインストラクターアップデートの一つを選択することになっていますが、いずれも
・Discuss specific science
・Interim Training
・Product review/input
・Product Update plan
・Written Exams
・Panel Q&A
え?筆記試験、、、ですか、、、?
2011年3〜4月にBLS-HCPのコース教材がリリースされますが、それに合わせてハワイのTCに出かけて、インストラクターアップデートを受けることになりそうです。そして上記のカンファレンスと同様、筆記試験をすることになるのでしょう。さぁ、10月から勉強だ!!
- インストラクターカンファレンス
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2010.08.03 Tuesday11月12日にAHAのガイドライン2010に関するインストラクターカンファレンスがあると言うことで、参加申込の受付が開始されました!!
Official 2010 AHA Guidelines for CPR & ECC Instructor Conference
開催地はシカゴ McCormick Place
参加費用は事前申し込み195ドル、10月15日以降は245ドル。
いや、行きませんよ。生活大変だし。。。
周囲の方々から、ガイドライン2010について質問を受ける機会が増えてきました。皆さん興味津々ですね。
気にとめて頂きたいのは、あくまでもガイドライン(指針、方向付け)であること。法律や規則ではありません。ガイドラインにかわらず大切なのは助け合いの心ですし、古いガイドラインがダメと言うことではありません。
常に知識と技術を最新にしておくことは重要ですが、それに振り回されないようにしましょう。
- ガイドライン2010のスケジュール
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2010.03.30 Tuesday今回のガイドライン変更に於るスケジュールはどうなっているのか?インストだけでなく、受講を考えている人達も気になるところですね。
いつの間にか、AHAの公式ページに掲載がありました。気付かなかった。。。
2011年1月〜3月
HCPのためのハンドブックリリース
FF CPRのコースマテリアルのリリース
2011年4月
BLS-HCPのコースマテリアルをリリース
2011年4月〜6月
ACLSのコースマテリアルをリリース
ハートセーバー各種コースのマテリアルをリリース
2011年7月〜9月
PALSのコースマテリアルをリリース
2011年10月
PEARSのコースマテリアルをリリース
そういえば英語教材しか存在しなかった時期に、DVDに日本語字幕をつけながら、教科書を和訳しながらパソコンに向かって何時間も、、、発狂しそうになったっけ。今回は余裕を持って作業できるように、早めに準備をしよう!!